第二新卒が応募できる枠は主に3つ。まずは違いを知っておこう
第二新卒として仕事を探し始めると、同じ会社でも「新卒採用」「第二新卒採用」「中途採用(キャリア採用)」と、いくつもの募集が並んでいることに気づきます。どれに応募すればいいのか分からず、なんとなく全部に出してしまったり、逆に「自分は新卒じゃないから」と選択肢を狭めてしまったりする人も少なくありません。
第二新卒が応募できる枠は、大きく分けると次の3つです。
新卒学生向けの採用枠。卒業後しばらくの既卒者も応募できるとしている会社があり、その場合は職歴のある第二新卒も対象になることがあります。
社会人経験が数年程度の若手を対象にした枠。「第二新卒歓迎」「社会人経験1年以上」などと書かれ、職種未経験を受け入れていることが多い枠です。
経験者を中心に募集する枠。年齢の幅が広く、募集職種に近い経験やスキルが求められることが多くなります。
国は企業に対し、卒業後少なくとも3年以内の人を新卒枠の応募対象に含めるよう求めてきました。とはいえ、実際にどこまで受け付けるか、職歴がある人も含めるかは会社ごとに異なります。「新卒枠に応募できるかどうか」は、必ず募集要項の応募資格で確認することが出発点です。国の方針の詳細は、厚生労働省などの公式情報で最新の内容を確認してください。
新卒枠・第二新卒枠・中途枠の違いを比較|選考・入社時期・待遇
3つの枠は、応募できる条件だけでなく、選考の進み方や入社時期、入社後の扱いまで違います。一般的な傾向をまとめると次のとおりです。
| 項目 | 新卒枠 | 第二新卒枠 | 中途枠 |
|---|---|---|---|
| 主に見られる点 | 人柄・ポテンシャル | ポテンシャル+社会人としての基礎 | 募集職種に近い経験・スキル |
| 選考の時期 | 決まった時期にまとめて行われることが多い | 通年で募集していることが多い | 欠員や増員に合わせて随時 |
| 応募から入社まで | 半年〜1年近くかかることもある | 1〜3ヶ月程度が目安 | 1〜3ヶ月程度が目安 |
| 入社時期 | 4月など決まった時期にそろえることが多い | 相談して決められることが多い | 相談して決められることが多い |
| 給与の決まり方 | 新卒の初任給と同じ扱いが多い | 新卒の初任給を基準に、経験を加味することがある | 経験や前職の給与を踏まえて決まることが多い |
| 入社後の研修 | 同期と一緒に集合研修を受けることが多い | 配属先での研修が中心。会社によって差が大きい | 実務を通じて覚えることが中心 |
表のとおり、新卒枠は「同期と一緒に一から育ててもらえる」代わりに、時間がかかり、前職の経験は評価に反映されにくい枠です。中途枠は反対に、スピード感があり経験も評価されますが、その分「何ができるか」を問われます。第二新卒枠はその中間で、社会人としての基礎はあるが、専門性はこれからという人を想定した枠だと考えると分かりやすいでしょう。
新卒枠で応募したほうがいい人と、知っておきたい注意点
新卒枠は「受かりやすい」と言われることがありますが、誰にとっても得な枠ではありません。向いているのは、次のような人です。
- 前職とまったく違う業界・職種に進みたい人 前職の経験をあまり使わない方向に進むなら、一から育てる前提の新卒枠のほうが選考の土俵に乗りやすいことがあります。
- 入社まで時間がかかっても構わない人 新卒枠は選考時期や入社時期が決まっていることが多いため、すでに退職していて早く働き始めたい人には合わない場合があります。
- 研修や同期のいる環境で学び直したい人 前職で十分に教えてもらえなかったと感じている人には、集合研修や同期の存在が支えになります。
新卒枠で応募する前に知っておきたい注意点
- 職歴があっても新卒枠に応募できるかは会社しだい。応募資格に「就業経験のない方」とあれば対象外
- 給与は新卒の初任給と同じになることが多く、前職より下がる場合もある
- 前職を辞めた理由と、なぜ新卒枠なのかは、新卒学生より丁寧に聞かれやすい
- 年下の同期と一緒に研修を受けることになる。その状況を前向きに受け止められるか考えておく
とくに注意したいのは、職歴を伏せて新卒として応募しようとすることです。経歴を正しく伝えないまま入社すると、あとで分かったときに信頼を大きく損ないます。短い職歴も含めて正直に書いたうえで、新卒枠を選ぶ理由を説明するほうが、結果的に選考でも納得してもらいやすくなります。
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第二新卒枠・中途枠で応募したほうがいい人
第二新卒枠が向いている人
第二新卒枠は、多くの第二新卒にとって最も応募しやすい枠です。通年で募集していることが多く、入社時期も相談しやすいため、在職中に転職活動をして、退職から間を空けずに次の会社に移りたい人に向いています。
また、「職種は変えたいけれど、ビジネスメールや報連相などの基本は身についている」という人にも合っています。企業側も、一から社会人教育をしなくてよい若手として期待していることが多いため、短い期間でも前職で身につけた基本動作をきちんと伝えることが評価につながります。
中途枠が向いている人
中途枠は経験者向けの印象が強いですが、第二新卒が応募してはいけない枠ではありません。次のような人は、中途枠も選択肢に入れてみましょう。
- 前職と同じ職種、または近い職種で働きたい人
- 前職で担当業務を一通り任され、具体的な実績や数字を話せる人
- 資格や専門知識など、募集職種で使えるスキルを持っている人
同じ職種で経験を積み上げる場合、中途枠のほうが前職の経験を給与や役割に反映してもらえる可能性があります。ただし、応募資格に「実務経験3年以上」などと具体的な条件がある場合は、それを満たしていないと書類で見送られることが多いので、条件はよく確認しましょう。
迷ったときは4つの質問で応募枠を決める
どの枠にするか決めきれないときは、次の4つの質問に順番に答えてみてください。答えを並べると、自分に合う枠が見えてきます。
- いつまでに働き始めたいか 数ヶ月以内に入社したいなら、第二新卒枠か中途枠が現実的です。半年以上先でもよいなら、新卒枠も選択肢になります。
- 前職の経験を生かすか、リセットするか 生かすなら中途枠や第二新卒枠、まったく違う分野で一からやり直すなら新卒枠や第二新卒枠が候補です。
- 給与はどこまで下がっても大丈夫か 新卒枠では初任給の水準になることが多いため、生活に無理がないかを先に確認しておきましょう。
- 研修や同期がどのくらい必要か 手厚い研修を重視するなら新卒枠、実務の中で覚えていけるなら第二新卒枠や中途枠も十分に選べます。
この4つで方向が決まったら、本命の枠を1つ決めて、もう1つの枠を予備として並行するのが進めやすい方法です。たとえば「第二新卒枠を中心に応募し、どうしても入りたい会社だけ新卒枠も確認する」といった形です。同じ会社の別の枠に同時に応募できるかどうかは会社によって違うので、事前に確認しておきましょう。
応募枠ごとに変わる書類と面接の準備
応募する枠によって、企業が書類や面接で確かめたいことは変わります。同じ準備のまま応募するのではなく、枠に合わせて伝え方を調整しましょう。
| 応募枠 | 主な応募書類 | 面接で特に聞かれやすいこと |
|---|---|---|
| 新卒枠 | エントリーシート、履歴書(職歴欄も記入) | なぜ新卒枠なのか、前職を辞めた理由、学生時代と社会人経験から学んだこと |
| 第二新卒枠 | 履歴書、職務経歴書 | 退職理由、前職で身につけたこと、次は長く働けるか |
| 中途枠 | 履歴書、職務経歴書 | 担当業務と実績、入社後にどんな仕事ができるか |
新卒枠で応募する場合に必ず聞かれるのが「なぜ中途ではなく新卒枠なのか」という質問です。答え方しだいで、「前職から逃げているだけ」にも「目的を持って学び直そうとしている」にも受け取られます。
前の会社は1年で辞めてしまったので、中途では経験が足りず受からないと思いました。新卒枠のほうが入りやすいと聞いたので応募しました。
前職では販売職として1年間働き、お客様の要望を聞き取る力や、売場の数字を見ながら動く習慣が身につきました。一方で、商品を売るよりも仕組みをつくる側に回りたいと考えるようになり、システム開発の仕事を基礎から学びたいと思っています。御社の新卒研修では開発の基礎を体系的に学べると伺い、未経験の分野だからこそ一から身につけられる新卒枠で挑戦したいと考えました。
NG例は「入りやすそうだから」という理由に聞こえてしまいます。OK例のように、前職で得たものを認めたうえで、新しい分野を基礎から学びたい理由と、応募先の育成環境を結びつけると、新卒枠を選んだ必然性が伝わります。第二新卒枠や中途枠の場合は、前職で担当した業務を具体的に書いた職務経歴書を用意し、「前職での経験を入社後にどう使うか」を話せるようにしておきましょう。
第二新卒の応募枠に関するよくある質問
新卒枠で応募するとき、前の会社で働いていたことは書かなくてもいい?
職歴は省略せず、正直に書きましょう。経歴を偽ったり隠したりすると、入社後に分かったときに大きなトラブルになりかねません。短い職歴でも、そこで何を学び、なぜ新卒枠で応募するのかを説明できれば十分です。
同じ会社の新卒枠と中途枠に、同時に応募してもいいですか?
同時応募を認めるかどうかは企業によって違います。募集要項に記載がなければ、応募前に採用窓口へ問い合わせて確認するのが安全です。
「第二新卒歓迎」の求人なら、職種未経験でも応募できますか?
第二新卒歓迎の求人は、社会人経験を前提にしながら職種未経験の人も受け入れていることが多いです。ただし求める経験は求人ごとに違うため、応募資格欄をよく読み、分からなければ確認してから応募しましょう。
まとめ|「どの枠が有利か」より「どの枠なら経験が生きるか」で選ぶ
第二新卒が応募できる枠は、主に新卒枠・第二新卒枠・中途枠の3つです。新卒枠は一から育ててもらえる代わりに時間がかかり、中途枠は経験を評価してもらえる代わりに即戦力に近い力を求められます。第二新卒枠はその中間で、多くの第二新卒にとって応募しやすい枠です。
どの枠が正解かは人によって違います。いつまでに働き始めたいか、前職の経験を生かすかリセットするか、給与や研修をどこまで重視するかを整理すれば、自分に合う枠は自然と絞れます。新卒枠に応募する場合も、職歴は正直に書いたうえで、新卒枠を選ぶ理由を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
大切なのは「どの枠が受かりやすいか」ではなく、「どの枠なら自分の経験や目標が生きるか」で選ぶことです。
「自分の経歴でどの枠に応募できるのか分からない」「新卒枠と第二新卒枠、どちらで動くべきか決めきれない」というときは、Career Visionの無料相談でアドバイザーと一緒に整理してみてください。
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キャリアアドバイザーからのコメント
第二新卒の方から「新卒枠のほうが有利ですよね?」と聞かれることがよくあります。たしかに未経験の分野に進むなら新卒枠が合うこともありますが、入社まで時間がかかったり、給与が下がったりと、引き換えになるものもあります。
ご相談では、「どの枠なら自分の1〜2年の経験を、きちんと評価してもらえるか」という視点で一緒に整理することが多いです。短い職歴でも、それを生かせる枠を選ぶと、面接での話もぐっと組み立てやすくなりますよ。
Career Vision キャリアアドバイザー
20代・未経験層の転職支援を担当