面接官が長所・短所を聞く3つの理由
長所・短所の質問は、性格の良し悪しを採点するためのものではありません。質問の意図が分かると、何を話せばよいかがはっきりします。
- 自分を客観的に見られているかを知るため:自分の得意・不得意を把握している人は、仕事の進め方を自分で調整できるため
- 仕事内容や職場との相性を確かめるため:長所が活きる場面があるか、短所が致命的にならないかを見ているため
- 課題への向き合い方を見るため:短所そのものより、それに気づいてどう対処しているかに人柄が表れるため
つまり求められているのは、「自分はこういう人間で、仕事ではこう活かし、こう気をつけています」という説明です。華やかな実績や、誰もが驚くような強みは必要ありません。経歴に自信がない20代でも、準備さえすれば十分に答えられる質問です。
自分の長所・短所の見つけ方3ステップ
「長所が思いつかない」という人の多くは、長所を「人より優れた能力」だと考えすぎています。ここでは、日常の行動から拾い上げる方法を紹介します。
STEP1:褒められたこと・任されたこと・苦にならないことを書き出す
長所は、自分にとって当たり前すぎて気づきにくいものです。次の3つの切り口で、仕事・アルバイト・学生時代の出来事を書き出してみてください。
長所を見つける3つの切り口
- 人から褒められた・感謝されたこと(「丁寧だね」「助かった」など小さな一言でよい)
- 気づいたら任されていたこと(新人への説明役、シフトの調整、在庫の管理など)
- 他の人は面倒がるのに、自分はあまり苦にならないこと
STEP2:注意されたこと・失敗した場面から短所を拾う
短所は、実際に困った場面から探すのが確実です。上司や先輩に注意されたこと、締め切り前に慌てたこと、後から「こうすればよかった」と思ったことを思い出してみましょう。実際の場面とセットで出てきた短所は、面接で話すときにも説得力が出ます。
STEP3:長所と短所を「裏返し」でつないでみる
長所と短所は、同じ性質の表と裏であることがよくあります。片方しか見つからないときは、下の表を手がかりに裏返してみてください。
| 長所として出る面 | 短所として出る面 |
|---|---|
| 慎重で確認を怠らない | 決めるまでに時間がかかる |
| 行動が早い | 確認が甘いまま進めてしまう |
| 責任感が強い | 一人で抱え込みやすい |
| 協調性がある | 自分の意見を後回しにしがち |
| 粘り強く続けられる | 切り替えや見切りが遅い |
| 好奇心が強い | 関心が移りやすい |
長所と短所に一貫性があると、人物像がぶれずに伝わります。ただし、無理に裏表にそろえる必要はありません。実際の場面が思い浮かぶものを優先しましょう。
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長所・短所が伝わる答え方の基本構成
長所も短所も、3つの要素を順番に話すだけで整理された回答になります。話す長さは、長所と短所それぞれ30秒〜1分程度が一般的な目安です。
結論(私の長所は〜です)→ 発揮した具体的な場面 → 入社後にどう活かすか。場面は一つに絞り、自分が何をしたかを具体的に話します。
結論(私の短所は〜なところです)→ 実際に困った場面 → 改善のために今していること。最後を対処法で締めるのがポイントです。
短所で最も大切なのは3つ目の「今していること」です。「気をつけます」という決意ではなく、すでに実行している具体的な工夫を話すと、課題に向き合える人だと伝わります。
また、長所は応募する仕事で活きるものを選びましょう。事務職なら正確さや段取り、営業職なら行動量や関係づくりなど、求人票の仕事内容と結びつけられる長所が理想です。
【長所】20代がそのまま使える例文5選
ここからは例文を紹介します。場面の部分を自分の経験に置き換えて使ってください。
長所の例文1:継続力(アルバイト経験が長い人)
私の長所は、決めたことを地道に続けられるところです。飲食店のアルバイトでは、閉店後の清掃チェック表を毎回欠かさず記録し続けた結果、店長から新人への引き継ぎ役を任せてもらえるようになりました。御社でも、日々の業務を一つひとつ確実に積み重ね、安心して任せてもらえる存在を目指します。
長所の例文2:相手に合わせた対応ができる(接客・販売経験者)
私の長所は、相手の様子を見て対応を変えられるところです。販売の仕事では、じっくり選びたいお客様にはお声がけを控え、迷っている方には選択肢を絞って提案するよう心がけていました。営業職でも、まずお客様の状況を丁寧に聞き取り、相手に合った提案につなげたいと考えています。
長所の例文3:責任感(第二新卒・在籍期間が短い人)
私の長所は、任された仕事を最後までやり切る責任感です。前職は在籍期間こそ短いですが、担当した顧客リストの更新作業は、退職日までに引き継ぎ資料とあわせて完成させました。環境が変わっても、目の前の仕事を途中で投げ出さない姿勢は変わらず持ち続けます。
長所の例文4:素直に吸収できる(未経験職種に応募する人)
私の長所は、指摘を素直に受け止めてすぐに直せるところです。前職では、先輩から受けた指摘をその日のうちにメモにまとめ、翌日の業務で必ず一つは試すようにしていました。未経験の分野だからこそ、教わったことを早く自分のものにして、一日でも早く戦力になりたいと考えています。
長所の例文5:計画性(既卒・資格の勉強をしてきた人)
私の長所は、目標から逆算して計画を立てられるところです。卒業後は資格の取得を目標に、試験日までの学習範囲を週単位に分け、進み具合を毎週見直しながら勉強を続けました。仕事でも、締め切りから逆算して段取りを組み、余裕を持って進めることを大切にしたいです。
【短所】20代がそのまま使える例文5選
短所は「困った場面」と「今している工夫」をセットにするのが基本です。
短所の例文1:心配性で確認に時間をかけすぎる
私の短所は、心配性で確認に時間をかけすぎてしまうところです。以前は書類を何度も見直し、提出が締め切り間際になることがありました。現在は、確認する項目をあらかじめリストにして見直しは2回までと決め、期限に余裕を持って提出するようにしています。
短所の例文2:一人で抱え込みやすい
私の短所は、仕事を一人で抱え込みやすいところです。前職では、自分で解決しようとして相談が遅れ、周囲に手間をかけてしまったことがあります。それ以来、15分考えて進まなければ相談すると決め、途中の段階でも状況を共有するよう意識しています。
短所の例文3:決断に時間がかかる
私の短所は、物事を決めるのに時間がかかるところです。選択肢を比べすぎて、行動が遅れてしまうことがありました。今は、判断の基準を先に2〜3個決めておき、期限を区切って結論を出すようにしています。
短所の例文4:人前で緊張しやすい
私の短所は、人前で話すときに緊張しやすいところです。朝礼での発表で頭が真っ白になった経験から、話す内容を要点3つにまとめたメモを用意し、事前に声に出して練習するようにしました。準備をすることで、落ち着いて話せる場面が増えてきています。
短所の例文5:せっかちで先を急いでしまう
私の短所は、せっかちで先を急いでしまうところです。早く終わらせようとして確認を省き、入力ミスを指摘されたことがあります。現在は、作業の区切りごとに手を止めて見直す時間を取り、スピードと正確さの両立を心がけています。
これはNG!評価を下げる長所・短所の答え方
NG例1:「短所は特にありません」と答える
短所がないという回答は、自信の表れではなく「自分を振り返れていない」と受け取られます。どんな人にも不得意はあるので、実際の場面と対処法を添えて正直に話しましょう。
短所は特に思い当たりません。強いて言えば、頑張りすぎてしまうところでしょうか。
短所は、頼まれると断れず仕事を抱えすぎてしまうところです。今は引き受ける前に手持ちの仕事と期限を確認し、難しいときは時期を相談するようにしています。
NG例2:仕事の前提を崩す短所をそのまま話す
「時間にルーズ」「約束を忘れやすい」「人と話すのが嫌い」など、働くうえでの信頼に直結する内容は、正直であっても不安を与えます。嘘をつく必要はありませんが、複数ある短所の中から、対処できていて、応募職種で致命的にならないものを選びましょう。
NG例3:短所のふりをした自慢になっている
「完璧主義すぎる」「仕事に熱中しすぎる」のような回答は、短所を聞かれているのに長所をアピールしているように聞こえます。使うのであれば、「細部にこだわりすぎて提出が遅れた」のように、実際に困った場面まで話すことが必要です。
NG例4:長所にエピソードがない
「コミュニケーション能力があります」「真面目です」と言葉だけで終わると、印象に残りません。長所の言葉そのものはありふれていて構わないので、その長所が表れた場面を一つ必ず添えてください。
面接の長所・短所に関するよくある質問
長所と短所は裏表の関係にしたほうがいい?
必須ではありません。裏表にすると人物像に一貫性が出て伝わりやすくなりますが、無理に合わせると不自然になります。実際の場面が思い浮かぶ長所・短所を優先しましょう。
長所と自己PRは何が違う?
長所は人柄や性質を、自己PRは仕事で発揮できる強みや経験を伝えるものです。内容が重なっても問題ありませんが、長所では性格面を中心に、自己PRでは仕事の成果や行動を中心に話すと使い分けができます。
長所・短所はいくつ用意しておけばいい?
それぞれ2つずつ用意しておくと安心です。面接では「他にはありますか」と重ねて聞かれることがあるため、メインの1つに加えて予備を1つ準備しておきましょう。
まとめ|長所も短所も「自分の取扱説明書」として伝えよう
面接の長所・短所は、優れた人物であることを証明する質問ではありません。自分の特徴を理解し、仕事の中でどう活かし、どう対処しているかを伝える質問です。
長所は「結論→場面→入社後の活かし方」、短所は「結論→困った場面→今している工夫」の順で話せば、特別な実績がなくても十分に伝わります。まずは褒められたこと・注意されたことを書き出すところから始めてみてください。
「自分では長所が見つけられない」「この短所を話して大丈夫か不安」という方は、Career Visionの無料相談でアドバイザーと一緒に整理していきましょう。
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キャリアアドバイザーからのコメント
面接練習でよく見かけるのが、短所を小さく見せようとして、かえって話がぼやけてしまうケースです。面接官は短所があること自体を減点しているわけではありません。
むしろ「困った場面を具体的に話せる」「対処を自分で決めて続けている」人は、入社後に壁にぶつかっても自分で立て直せる人だと受け取られます。短所は隠すものではなく、扱い方を見せるものだと考えてみてください。
Career Vision キャリアアドバイザー
20代・未経験層の転職支援を担当