面接で緊張するのは悪いことではない|面接官が見ているポイント
最初に知っておいてほしいのは、面接で緊張している応募者は珍しくないということです。面接官は日々多くの応募者と話しているので、声が少し震えたり、言葉に詰まったりする場面には慣れています。緊張していること自体で評価を大きく下げる面接官は、一般的には多くありません。
特に20代や第二新卒・既卒の採用では、話のうまさよりも、人柄や仕事への向き合い方を見たいと考える企業が少なくありません。面接官が見ているのは、次のような点です。
緊張していても伝わる、面接官が見ているポイント
- 質問に向き合おうとしているか:うまく言えなくても、質問の意図に沿って答えようとしているか
- 誠実さ:分からないことをごまかさず、自分の言葉で話そうとしているか
- 立て直す力:詰まったあとに落ち着きを取り戻し、話を続けられるか
- 入社後の姿が想像できるか:一緒に働く人として、素直に話を聞き、やり取りができそうか
つまり、緊張は「隠さなければいけない欠点」ではありません。流暢に話せなくても、上のポイントが伝われば評価につながります。逆に、緊張を隠そうとして無理に早口でまくし立てたり、取り繕ったりするほうが、印象を損ねやすいのです。
面接で頭が真っ白になる3つの原因
頭が真っ白になるのには、たいてい原因があります。自分がどのパターンに当てはまるかが分かると、準備の方向性も見えてきます。
1. 回答を一字一句覚えようとしている
準備した回答を文章のまま暗記していると、最初の一文が出てこなかったり、途中の一語を忘れたりしただけで、続きがすべて飛んでしまいます。「正しい文章を思い出さなければ」と焦るほど、記憶はますます出てこなくなります。
2. 「失敗してはいけない」と自分を追い込んでいる
「この面接に落ちたら後がない」「完璧に答えなければ」と思い詰めていると、ちょっとした言い間違いが大きな失敗に感じられます。一度つまずいた瞬間に「もうだめだ」と考えてしまい、次の言葉が出なくなるパターンです。
3. 想定外の質問への備えがない
よく聞かれる質問は準備していても、深掘りや想定していなかった質問が来た瞬間に固まってしまう人は多くいます。答えの中身がないというより、「考える時間を取ってもいい」という選択肢を持っていないことが原因になっている場合がほとんどです。
答えに詰まったときの立て直し方とそのまま使えるフレーズ
頭が真っ白になったときに最も避けたいのは、黙り込んだまま時間が過ぎてしまうことです。言葉が出てこないときは、「いま何が起きているか」を短く言葉にするだけで、面接官とのやり取りを途切れさせずに済みます。状況別に、そのまま使えるフレーズを紹介します。
そのまま使える立て直しのフレーズ
- 考える時間がほしいとき:「少し考えをまとめる時間をいただいてもよろしいでしょうか」
- 質問の意図がつかめないとき:「〇〇という意味でのご質問でしょうか」
- 質問内容が飛んでしまったとき:「申し訳ありません、緊張してしまい、もう一度ご質問をお伺いしてもよろしいでしょうか」
- 話の途中で分からなくなったとき:「失礼しました、要点をまとめ直してお伝えします」
- どうしても答えが出ないとき:「申し訳ありません、すぐにはお答えが浮かびません。現時点で考えていることをお話ししてもよろしいでしょうか」
考える時間をもらうのは、マナー違反ではありません。数秒の沈黙のあとに筋の通った答えが返ってくれば、むしろ「落ち着いて考えられる人」という印象になります。考えているあいだは、目線を少し落として構いません。答え始めるときに、面接官のほうへ顔を戻しましょう。
話し始めは「結論だけ」でいい
立て直すときは、いきなり上手に話そうとしないことがコツです。まずは「私が御社を志望したのは、〇〇に関わりたいからです」のように結論を一文だけ言います。結論が言えれば、理由や具体例はそのあとに少しずつ足していけます。面接官が深掘りの質問をしてくれれば、それに答えるうちに話は自然とつながっていきます。
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前日までにできる緊張対策5つ
本番で頭が真っ白になりにくくするには、前日までの準備の仕方が大きく影響します。気合いで乗り切るより、次の5つを順番に整えておきましょう。
- 回答は「キーワードと順番」で覚える 志望動機や自己PRは、文章ではなく「結論→理由→具体例→入社後」の順番と、入れたいキーワードだけをメモにします。言い回しが毎回少し変わっても大丈夫な状態を目指します
- 声に出して練習する 頭の中で考えるのと、実際に声に出すのとでは大きく違います。スマートフォンで録音して聞き返すと、早口や口ぐせにも気づけます
- 想定外の質問を練習に混ぜる 家族や友人に、準備していない質問をランダムに投げてもらいましょう。「少し考えさせてください」と言ってから答える練習まで含めておくと、本番でも同じ動きができます
- 応募先の情報を一枚にまとめる 事業内容、募集職種の仕事内容、志望理由のポイント、逆質問を一枚にまとめておくと、直前の見直しが短時間で済み、安心材料にもなります
- 当日の段取りを決めておく 会場までのルート、到着予定時刻、服装と持ち物を前日に確定させます。Web面接なら接続テストまで済ませておきます。当日の不確定要素が減るほど、気持ちに余裕が生まれます
準備のゴールは「完璧な回答を用意すること」ではなく、「多少崩れても話の軸に戻れる状態」をつくることです。前日は遅くまで詰め込みすぎず、睡眠を確保することも立派な準備の一つです。
面接当日、本番直前にできること
当日は、面接が始まる前の過ごし方で緊張の度合いが変わります。直前にできることを押さえておきましょう。
時間に余裕を持って到着する
ぎりぎりに到着すると、焦りがそのまま面接に持ち込まれます。近くには早めに着いておき、受付には指定の時刻の5〜10分前を目安に向かうと、気持ちを整える時間が取れます。
見直すのは「一枚のメモ」だけにする
直前に新しい情報を詰め込もうとすると、かえって頭が混乱します。前日にまとめた一枚のメモだけを見て、志望動機の結論と、伝えたいエピソードのキーワードを確認する程度にとどめましょう。
ゆっくり息を吐く
緊張すると呼吸が浅く速くなりがちです。待合室や入室前に、鼻から息を吸い、口からゆっくり長めに吐くことを数回くり返すと落ち着きやすいと言われています。肩を一度すくめてからストンと落とすのも、体のこわばりをほぐすのに役立ちます。
最初の一言を決めておく
面接の冒頭は、入室時のあいさつと名乗り、自己紹介から始まることが一般的です。最初の一言を決めておき、少しゆっくりめの速さで、はっきり言うことを意識しましょう。出だしが落ち着いて話せると、その後の流れにも乗りやすくなります。
緊張しやすい人がやりがちなNG対応
緊張しやすい人ほど、よかれと思ってやったことが逆効果になることがあります。代表的なNG対応と、その言い換えを見てみましょう。
沈黙が怖くて、質問の意図を確かめないまま思いついたことを話し続ける。
「〇〇についてのご質問でよろしいでしょうか」と確認してから、結論を一文で答える。
「すみません、緊張していて」と何度も謝り、話の中身が少なくなる。
緊張していることを伝えるのは最初の一度だけにして、あとは話の中身に集中する。
一つ答えられなかったことを引きずり、残りの質問にも力のない答え方をする。
終わった質問は気持ちの中で区切り、次の質問には新しい気持ちで答える。逆質問や最後のあいさつで前向きな姿勢を見せる。
もう一つ気をつけたいのが、自分を落ち着かせるために回答をすべて書いたメモを手元に置くことです。対面面接では手元のメモを読みながら話すことは一般的ではなく、Web面接でも視線の動きで気づかれやすいものです。メモに頼るより、キーワードで話せる準備をしておきましょう。
面接の緊張に関するよくある質問
面接で緊張していることを、正直に伝えてもいい?
伝えて構いません。「緊張していて、少し言葉が詰まるかもしれません」と一言添えるだけで気持ちが軽くなり、面接官も話を待つ前提で聞いてくれます。ただし何度も繰り返すと言い訳に聞こえるので、伝えるのは一度だけにしましょう。
頭が真っ白になって答えられなかった面接は、もう不合格?
一つの質問に答えられなかっただけで、不合格が決まるとは限りません。面接官は面接全体を通して判断しています。詰まったあとに立て直せたか、他の質問で誠実に答えられたかも見られているので、最後まで気持ちを切らさないことが大切です。
回答を丸暗記して臨むのはやめたほうがいい?
一字一句の丸暗記はおすすめしません。一か所忘れると続きが出てこなくなり、かえって頭が真っ白になりやすいからです。結論と話す順番、入れたいキーワードだけを覚えておき、言い回しはその場で組み立てる準備のほうが本番に強くなります。
まとめ|緊張をなくすより「崩れても戻れる」準備を
面接で緊張するのは、真剣に臨んでいるからこそです。面接官は緊張している応募者に慣れており、話の流暢さよりも、質問に向き合う姿勢や誠実さ、詰まったあとに立て直せるかを見ています。
頭が真っ白になる原因の多くは、回答の丸暗記、「失敗してはいけない」という思い込み、想定外の質問への備え不足です。回答はキーワードと順番で覚え、声に出して練習し、「少し考える時間をいただけますか」と言える準備をしておきましょう。当日は時間に余裕を持ち、ゆっくり息を吐いて、最初の一言を落ち着いて話すことから始めてください。
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キャリアアドバイザーからのコメント
面接後に「緊張して全然うまく話せませんでした」と落ち込んでいた方が、実は通過していたというのはよくあることです。本人が思っているほど、面接官は話の流暢さを重視していません。
模擬面接では、あえて想定外の質問を入れて「詰まったらどうするか」まで練習します。一度でも立て直しを経験しておくと、本番で真っ白になっても「ここから戻ればいい」と思えるようになります。緊張は消すものではなく、付き合い方を覚えるものです。
Career Vision キャリアアドバイザー
20代・未経験層の転職支援を担当