第二新卒で大手から中小・ベンチャーへの転職は「あり」。ただし理由しだい
新卒で大手企業に入ったものの、「仕事の手応えがない」「意思決定が遅くてもどかしい」「もっと早く成長したい」と感じて、中小企業やベンチャーへの転職を考える人は少なくありません。周りから「せっかく大手に入ったのにもったいない」と言われ、踏み出せずにいる人もいるでしょう。
結論からいうと、第二新卒で大手から中小企業・ベンチャーに移るのは十分に「あり」です。会社の規模が小さくなることは、それだけで失敗を意味しません。実際、規模が小さい会社のほうが若いうちから幅広い仕事を任され、自分に合っていたと感じる人もいます。
ただし、「大手がつまらないから」「ベンチャーのほうがかっこよさそうだから」という漠然とした理由だけで動くと、移ったあとに想像との違いに戸惑いやすくなります。大切なのは、今の会社で何が足りないのか、転職先で何を手に入れたいのか、そのために何を手放すのかを、自分の言葉で説明できるようにしておくことです。
この記事の考え方
- 会社の規模に良い・悪いはない。合う・合わないがあるだけ
- 「得たいもの」と「手放すもの」をセットで考える
- 中小・ベンチャーとひとくくりにせず、1社ずつ中身を確かめる
大手と中小企業・ベンチャーで働き方はどう変わる?
同じ職種でも、会社の規模によって働き方は大きく変わります。もちろん会社ごとの差が大きいので一概にはいえませんが、一般的な傾向を整理すると次のようになります。
| 項目 | 大手企業に多い傾向 | 中小企業・ベンチャーに多い傾向 |
|---|---|---|
| 仕事の範囲 | 役割が細かく分かれ、担当範囲がはっきりしている | 一人が幅広い業務を受け持ち、担当外の仕事も多い |
| 意思決定 | 承認の段階が多く、決まるまで時間がかかりやすい | 経営層との距離が近く、決まるのが早い |
| 教育・研修 | 研修制度やマニュアルが整っていることが多い | 実務で覚えることが中心で、仕組みは会社しだい |
| 給与・福利厚生 | 水準が安定しており、手当や退職金制度が手厚い傾向 | 会社による差が大きい。成果で上がりやすい会社もある |
| 評価・昇進 | 年次や制度に沿って段階的に進むことが多い | 成果しだいで若いうちから役職がつくこともある |
| 安定性 | 事業基盤が大きく、急な変化は起きにくい | 事業や組織の変化が速く、方針転換もありうる |
表を見ると分かるとおり、どちらにもよい面とつらい面があります。大手の「担当範囲がはっきりしている」は、裏を返せば「決まった仕事をきちんとこなせばよい」という安心感でもあります。中小・ベンチャーの「幅広い仕事を任される」は、成長の機会であると同時に、教えてくれる人がいない中で自分で考えて動く負担にもなります。
今の不満が、規模の違いから来ているのか、それとも今の部署や上司など個別の事情から来ているのかも、あわせて考えておきましょう。後者なら、規模を変えなくても解決できる可能性があります。
大手から中小・ベンチャーへの転職が向いている人
次のような考え方や志向を持っている人は、大手から中小企業・ベンチャーに移っても、前向きに働ける可能性が高いといえます。
- 仕事の全体像に関わりたい人 一部の工程だけでなく、企画から結果までを見届けたい人には、守備範囲の広さがやりがいにつながります。
- 決まっていないことを自分で進めるのが苦にならない人 マニュアルや前例がない場面でも、周りに聞きながら自分で形にしていける人は活躍しやすいです。
- 早く経験を積みたい理由がはっきりしている人 「将来この分野で専門性を持ちたい」など、目的がある人は多少の大変さも納得して乗り越えやすくなります。
- 会社の看板より、事業や人で選びたい人 知名度ではなく「この事業に関わりたい」「この人たちと働きたい」と思える人は、入社後のギャップに強いです。
反対に、「大手の仕事はつまらない気がする」「なんとなく自由そう」という段階なら、もう少し具体的に考えを深めてから動いたほうが安全です。
\ 自分に合う会社の規模が分からないなら /
大手に残るか、移るか
アドバイザーと一緒に整理しよう
20代特化のCareer Visionでは、今の仕事で感じている違和感や、これからやりたいことをうかがいながら、あなたに合う会社選びを一緒に考えます。相談はすべて無料です。
簡単30秒無料相談してみる※相談したからといって、転職を無理にすすめることはありません。
転職して後悔しやすい人と、よくある後悔のパターン
大手から中小・ベンチャーに移って「こんなはずじゃなかった」と感じる人には、いくつか共通点があります。事前に知っておけば、多くは避けられるものです。
大手の仕組みを「当たり前」だと思っている
大手では、総務や経理、システム部門などが社内の細かな仕事を引き受けてくれていることが多く、本人はそのありがたさに気づきにくいものです。中小・ベンチャーでは、備品の手配や資料のひな形づくりまで自分でやることもあります。「誰かがやってくれていたこと」を自分でやる覚悟があるかどうかで、入社後の受け止め方は大きく変わります。
待遇の変化を細かく比べていなかった
月給だけを比べて決めてしまい、入社後に賞与や住宅手当、退職金制度の違いに気づいて後悔するケースもあります。年収が下がること自体は悪いことではありませんが、総額でどれくらい変わるのか、生活に無理はないかは事前に把握しておきましょう。
「裁量がある」の中身を確かめていなかった
求人や面接で「裁量が大きい」と聞いていても、実際には社長の判断ですべてが決まり、自分で決められることは少なかった、ということもありえます。逆に、任されすぎて相談相手がいないと感じる人もいます。どの程度の範囲を任されるのかは、具体的な仕事の例を聞いて確かめることが大切です。
不満から逃げることだけが目的になっていた
「大手の窮屈さから抜け出したい」という気持ちだけで選ぶと、移った先の別の大変さに耐えにくくなります。不満をきっかけにするのは自然なことですが、次の会社で何をしたいのかまで言葉にしておくと、会社選びの軸がぶれにくくなります。
失敗しないための会社の見極め方|求人票と面接で確認したいこと
中小企業やベンチャーとひと口にいっても、成長中の会社、地域に根ざして長く続く会社、創業間もない会社など、中身はさまざまです。規模で判断せず、1社ずつ次のポイントを確かめましょう。
求人票・会社の公開情報で確認したいこと
- どんな事業で、誰からどのように売上を得ているのか
- 設立年や社員数の推移、事業の拡大や縮小の様子
- 給与の内訳(固定残業代の有無、賞与・手当・退職金制度)
- 年間休日や残業時間の目安、試用期間中の条件
面接で聞いておきたいこと
- 入社後、最初の3ヶ月から半年で任される仕事の具体例
- 仕事の進め方を教えてくれる人や、相談できる相手はいるか
- 同じ部署のメンバー構成と、社員がどのくらい長く働いているか
- 評価や昇給はどのような基準で、どのタイミングで決まるのか
面接は、会社に評価される場であると同時に、自分が会社を見極める場でもあります。聞きにくいと感じる質問も、「長く働きたいので確認させてください」と前置きすれば、失礼にはなりません。答えがはぐらかされる場合は、その会社を選ぶかどうかを慎重に考える材料になります。
また、内定が出たら労働条件通知書などの書面で条件を確認し、面接で聞いた内容と食い違いがないかを見ておきましょう。労働条件の明示のルールなど法律に関わる点は、厚生労働省などの公式情報で最新の内容を確認してください。
面接で「なぜ大手を辞めて当社に?」と聞かれたときの答え方
大手から中小・ベンチャーへの転職では、面接で「なぜせっかく入った大手を辞めて、当社なのですか」と聞かれることがよくあります。採用側が知りたいのは、不満だけで辞めるのではないか、うちに来てもまたすぐ辞めないかという点です。
答えるときは、大手の悪口ではなく、「大手で学んだこと」「そのうえでやりたくなったこと」「なぜこの会社なのか」の順で話すと、前向きな理由として伝わりやすくなります。
大手は仕事が細かく分かれていて、つまらなかったんです。上の人が決めたことをやるだけで、成長できないと思いました。御社なら自由にできそうだと思って応募しました。
現職では営業事務として、受注データの管理や納期の調整を担当してきました。正確に仕事を回す基本は身についた一方で、お客様の課題を聞いて提案するところまで関わりたいという気持ちが強くなりました。御社は少人数で、一人ひとりがお客様と直接やりとりしながら提案していると伺い、これまでの調整の経験を生かしながら、仕事の全体に関われる環境で力をつけたいと考えています。
NG例は、前の会社への不満が中心で、「この会社でなければならない理由」が伝わりません。OK例のように、今の会社で得たものを認めたうえで、次にやりたいことと応募先の特徴を結びつけると、入社後に定着するイメージを持ってもらいやすくなります。
大手から中小・ベンチャーへの転職に関するよくある質問
大手から中小企業に転職すると、もう大手には戻れない?
一度中小企業やベンチャーに移ったからといって、大手に戻れなくなるわけではありません。ただし大手の中途採用では即戦力を求められることが多いため、移った先で何を経験し、どんな成果を出したかを説明できるかどうかが大切になります。
ベンチャー企業はすぐに倒産しないか心配です
会社の将来を外から正確に見通すことはできませんが、事業の中身や売上の伸び方、資金の状況、社員の定着具合などは、公開情報や面接での質問である程度確かめられます。不安な点は内定前に遠慮せず確認し、納得できない場合は無理に選ばないことが大切です。
年収が下がっても中小企業に移る価値はありますか?
下がる金額と、それと引き換えに得たいものが見合うかどうかで判断しましょう。月々の手取りだけでなく、賞与や退職金、住宅手当などの福利厚生も含めて比べ、生活に無理が出ない範囲かを確認してから決めることをおすすめします。
まとめ|会社の大きさより「自分に合う環境か」で選ぶ
第二新卒で大手から中小企業・ベンチャーに転職するのは、理由がはっきりしていれば十分に前向きな選択です。会社の規模には良い・悪いではなく、合う・合わないがあります。
大手と中小・ベンチャーでは、仕事の範囲や意思決定のスピード、教育の仕組み、待遇などに違いがあります。転職先で手に入れたいものと、引き換えに手放すものをセットで考え、総額の待遇や任される仕事の中身まで確かめておくと、入社後の後悔は減らせます。
会社を見極めるときは、規模でひとくくりにせず、事業の中身や働く人、評価の仕組みを1社ずつ確認しましょう。面接で大手を辞める理由を聞かれたら、前の会社で得たものを認めたうえで、次にやりたいことと応募先の特徴を結びつけて伝えるのがポイントです。
「自分には大手と中小のどちらが合うのか分からない」「中小・ベンチャーの求人をどう選べばいいか知りたい」というときは、Career Visionの無料相談でアドバイザーと一緒に整理してみてください。
\ 会社の名前より、これからの経験で選ぼう /
大手からの転職の不安も
一人で悩まず相談しよう
第二新卒・既卒・フリーター歓迎。20代特化のアドバイザーが、転職の目的の整理から求人紹介・面接対策まで完全無料でサポートします。
簡単30秒無料転職相談をする※ご利用はすべて無料です。
キャリアアドバイザーからのコメント
大手から中小やベンチャーへの転職を考える第二新卒の方は、「大手でなくなる不安」と「このままでいいのかという焦り」の間で揺れていることがほとんどです。どちらの気持ちも自然なものなので、無理にどちらかを打ち消そうとしなくて大丈夫です。
ご相談では、今の会社に残った場合と移った場合、3年後にどんな経験が積めていそうかを並べて考えてみることをおすすめしています。会社の名前ではなく、自分が手にしたい経験から逆算すると、規模へのこだわりが自然とほどけていくことが多いです。
Career Vision キャリアアドバイザー
20代・未経験層の転職支援を担当